キッチンボードの中間を空けてオープンな空間とし、上部に吊戸棚を取り付けるというプランもキッチン収納として人気です。
中間にはちょうど採光と換気の為に窓が設けられている住宅が多いので、中間には収納が無い方が良い設計の住宅もあります。
そんな時は、キッチンボードを上段と下段に分けて製作します。そうすると問題となるのは、上の部分をどうやって取り付けるのか・・・?
当工房が伺って設置することも可能です。ですが、自分で取り付けたい!という場合もあるかと思います。
そこで、吊戸棚の取り付け方について、オーダーキッチンボードと吊戸棚の埼玉県K様の例をふまえて解説していきます。
K様へ製作したステンレス天板キッチンボードと吊戸棚はこちらでご紹介しています
K様は電動工具をお持ちで、DIYができるとのことでしたので、当工房で製作したオーダー吊戸棚をご自分でつけられるように、詳しい吊戸棚の取り付け方法の解説書をつくり、吊戸棚と一緒にお届けしました。
ざっくりと順序を説明すると
吊戸棚のような重い家具を取り付けるには、壁の耐荷重はいくら必要ですか?と聞かれることもありますが、「下地ベニヤが入っている必要があります」と答えます。・・・となりますと、新築やリフォーム、リノベーションの時に、大工さん・工務店さんに、吊戸棚を付けたい場所には、石膏ボードでなくてベニヤ板を入れてもらう必要がありますね。お願いするとやってもらえます。
耐荷重うんぬんの話は、ポスターフレームや時計など軽い物を壁に掛ける場合の話になります・・・
家具を壁に掛けるには、
などが必要です。
1つ目と2つ目の、ベニヤや合板や柱などに向かってビスを打つ、というのが一番やりやすいです。
3つ目の「アンカー」ですが種類や固定されたかの確認などがとても重要です。石膏ボードにネジ止め、などの時に登場するのが「アンカー」です。アンカーについてはこちらを参考にさせて頂きました。
【DIY】石膏ボードをネジ止めして棚を設置したい!石膏ボード壁の種類と設置法とは
引用:https://kawlu.com/journal/2016/01/04/11667/
位置決めは、型紙やマスキングテープなどで行います。マスキングテープだと壁に貼るうちにヨレて曲がったりしますので、注意します。また、近年流行りの柄のついたマスキングテープは、壁の状態によっては壁をはがすこともありますので、注意点です。
この例では、吊戸棚と同じサイズのベニヤ板を用意しました。
新聞紙を同じサイズに切ったものでも構いません。
天井までいっぱいのタイプの吊戸棚の時は、新聞紙よりもマスキングテープで位置決めするとよいでしょう。
高い所に設置するので、位置決めした位置のなるべく近くで、どうしようかな?と考えながら作業するために、仮置きの台を置きます。
吊戸棚や棚などが片手で持てるほどの重さなら台は要りませんが、2人で持った方がよいような重さの場合がほとんどだと思いますので、仮置き台があると非常によいです。
写真ではホームセンター等で売っている作業用の台ですが、椅子や他の家具の上でもとりあえずは大丈夫です。グラグラしないよう、平らな台であることが重要です。
台の上に吊戸棚を仮置きします。
台の上で吊戸棚を左右に移動させ、左右位置を把握します。
高さを見ながら、型紙の高さ位置まで近づけて行きます。
仮置きの台と吊戸棚の間に物を挟みながら合わせて行くとやりやすいです。
この例では、ホームセンターや100円均一に100円で売っている、発砲スチロール製のブロックを重ねています。このブロック、重そうに見えて軽く、一辺が10cmと20cmなので、高さ調整がしやすく重宝します。
無ければ、雑誌などを積み重ねてもかまいません。
グラグラするので2人で押さえながら行います。
ちょうど位置決めした型紙の位置に吊戸棚がくるよう、仮置きの台との間にものを挟みながら調整していきます。
上写真ではちょうどよい高さまで吊戸棚を配置することがきました。
次はいよいよ、壁に吊戸棚を固定していきます。
各扉内に4か所ずつ、計8か所、電動ドライバーで壁に向ってビスでとめて、家具と壁を固定します。
「下穴(したあな)」といって、あらかじめビスで止める為の穴を家具に開けておくとやりやすいです。
当工房でオーダー頂いた吊戸棚の場合は、下穴をあけております。
吊戸棚本体を固定し、扉を付けたら、完成です。
壁に家具や棚を固定するときのコツは、位置決めが重要。
新聞紙やマスキングテープを使い、取り付けたい位置を決めましょう。この時、垂直・水平に壁に位置決めするのが大切です。
また、仮置き台を用意することも大切です。
取り付けようとして、少し位置が・・・となって元に戻す。の作業の繰り返しなので、空中で家具を片手で支えるのは重かったり無理だったり・・・
なるべく仮置き台を用意し、発砲スチロールブロックなども用意しながら、安全に取付けられるように作業していきましょう。